オオサンショウウオとは

撮影 福田 幸広
オオサンショウウオは、世界最大級の両生類です。手のひらサイズの一般的な両生類と比べると、その大きさは特別で、最大約150cmにもなります。日本にのみ生息する、日本固有種です。約2300万年以上前からほとんど姿を変えずに生き続けてきたことから、「生きた化石」とも呼ばれています。その希少性から、昭和27年に国の特別天然記念物に指定されています。
基本データ
- 体長:最大約150cm
- 寿命:不明(飼育下では、すでにある程度成長した個体が50年以上生きた記録があります)
- 生息地:河川の上流域~下流域
ユニークな生態

撮影 福田 幸広
一生を水中で暮らしますが、子どもの頃はエラ呼吸、大人になると肺呼吸と皮膚呼吸を行います。そのため、大人は数時間~十数時間ごとに水面へ浮上して息継ぎをします。息継ぎができないと、おぼれ死んでしまうこともあります。
サンショウウオ類では珍しく、父親が数か月間もの長期間、卵や子どもを守りながら子育てを行います。
非常に優れた再生能力を持ち、手足や尻尾など、身体の一部が損傷しても再生することがあります。
朝来市とオオサンショウウオ

朝来市は兵庫県の中央部に位置し、県内でも特にオオサンショウウオの生息数が多い「市川」と「円山川」の源流域にあたります。源流域の生息環境を守ることは、川全体の環境を守ることにつながり、兵庫県全域にも大きな影響を与えます。
特に市川上流の黒川渓谷は、流れ込む支流を含めて毎年繁殖が確認され、生息数も多いことから、日本屈指のオオサンショウウオ生息地として知られています。こうした背景から、朝来市は「オオサンショウウオと棲むまち」宣言を行い、オオサンショウウオの保全に力を入れています。
オオサンショウウオを取り巻く状況

オオサンショウウオは、主に上流域で繁殖を行います。しかし、堰やダムなどによって川が分断されると、普段は下流域で暮らしている個体が、上流の繁殖巣穴へ戻れなくなってしまいます。
その結果、子どもの数が減少し、各地で「少子高齢化」が確認されています。大人の個体が多く見えても、子どもが少なければ、将来的に個体数は減少していきます。さらに、外来種であるチュウゴクオオサンショウウオの侵入による交雑や、河川工事などによる繁殖場・生息地の破壊によって、生息数は急激に減少しています。
オオサンショウウオの保全のために

撮影 福田 幸広
当施設では、河川の水中に漂うDNAから生物の存在を調べる「環境DNA分析」や、遺伝子解析による種判定などを活用し、外来種の早期発見や防除に取り組んでいます。
また、飼育個体や生息環境の調査研究を通して、まだ多くが分かっていないオオサンショウウオの生態解明を進めています。得られた研究成果を活かしながら、保全活動へつなげていきます。